慢性腎不全のため透析を必要とする患者さんは年々増加し、2014年末の全国集計で30万人以上となっています。新たに透析をはじめる患者さんの平均年齢も67.8歳と高齢化が進んでいます。その中で腎不全の原因は糖尿病が43.5%、腎硬化症が11.6%と生活習慣病や高齢化の影響が目立ちます。
このような患者さんでは透析導入期に脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの心血管病を持っていることが多く、人工透析室では、各専門科と緊密に連携しながら、病状に即した透析導入を行っています。
人工透析室
人工透析について
血液透析は、現在最も広く行われている透析療法です。血液を一時的に体外へ取り出しダイアライザーという透析器に通すことによって、余分な水分の他、体内にたまった老廃物、カリウム、リンなども取り除き、血液をきれいにして返す治療法です。
当院では最新の機器を導しており、将来はオンラインHDFも施行可能です。また各ベッドには液晶テレビを設置しており、治療中にご自由にご鑑賞いただけます。
特色
血液透析を行ううえで血管アクセスの確保は大きな問題です。 高齢者や糖尿病患者の増加につれて、血管の性状や動脈硬化の進行、心機能の問題のために、必ずしも自己血管内シャントを作成できる患者さまばかりとは限りません。また、血管アクセスを確保できたとしても、その後閉塞や血流低下により透析困難となる症例も見られます。長期透析になると、シャント部に瘤(こぶ)ができたり、シャントがあるために心機能に影響が出たりする場合もあります。
当院ではこのような透析患者さまの状況を踏まえ、開業時よりバスキュラーアクセスセンター(院内標榜)を開設し、血液透析導入にあたっての血管アクセスの作成はもちろん、 血管エコーやシャント造影といった検査、カテーテルにより行う血管拡張術・血栓除去術などを駆使したバスキュラーアクセスの管理に取り組んでおります。外来は亀山敬幸医師(循環器内科)が診察を行っております。